車を高く売るなら下取りではなく買取査定に出すべき

下取りと買取査定の基本的な違い

車を手放す際には「下取り」と「買取査定」という2つの選択肢があり、どちらも車を売却する点では同じように見えるかもしれません。しかしこの2つには明確な違いがあって、それが売却金額に大きく影響してきます。

下取りは新車購入とセット

下取りというのは新車をディーラーで購入するときに、今乗っている車を引き取ってもらう方法です。売却代金は新車の購入費用に充当される形になるため、手元に現金が残るわけではありません。

手続きが一つの店舗で完結するので、時間をかけたくない人には向いています。

買取査定は車だけを売却

一方で買取査定は、車の購入とは関係なく買取専門店に車を売る方法になります。売却した代金は現金として手元に入るため、その使い道は自由です。新しい車を買うための資金にしてもいいですし、別の用途に使うこともできるわけです。

買取査定のほうが高く売れる理由

車を高く売りたいなら、下取りではなく買取査定を選ぶべきです。その理由はいくつかありますが、最も大きいのは査定の仕組みそのものにあります。

中古車市場の相場が反映される

買取専門店は中古車オークションや自社の販売ルートを持っているため、市場の相場に敏感です。人気車種やオプション装備があれば、それが査定額にダイレクトに反映されます。買取業者は「この車なら高く売れる」と判断すれば、積極的に高額査定を出してくれるのです。

これに対してディーラーの下取りは値引き額との調整が入るため、実際の車の価値がそのまま査定額に現れにくくなっています。下取り価格が高く見えても、その分新車の値引きが少なくなるというケースが多いです。

複数業者で競争が起きる

買取査定では複数の業者に見積もりを依頼できるため、業者間で競争が生まれます。A社が50万円、B社が55万円と提示してくれば、C社がさらに高い金額を出してくれる可能性もあるでしょう。

このような競争原理が働くことで、自然と査定額が上がっていくわけです。

下取りの場合はディーラー1社との交渉になるため、こうした競争は起きません。提示された金額に納得できなくても、比較対象がないため妥当かどうかの判断も難しくなります。

査定額の差は数万円から数十万円

実際のところ、下取りと買取査定では査定額に数万円から場合によっては数十万円もの差が出ることがあります。特に人気車種や状態の良い車、カスタムパーツを装着している車などは、買取査定のほうが圧倒的に有利です。

人気の社外ナビやアルミホイールが付いていても、下取りではほとんど評価されないことが多いのですが、買取店なら「これは売れる」と判断してプラス査定してくれます。

項目 下取り 買取査定
査定額の水準 低め 高め
人気装備の評価 反映されにくい 反映されやすい
複数業者との比較 できない 可能
売却金の使い道 新車購入に限定 自由

買取査定で高く売るためのポイント

買取査定を選んだとしても、やり方次第で査定額は変わってきます。少しでも高く売るために押さえておきたいポイントがいくつかあります。

複数の買取店で査定を受ける

まず基本となるのが、複数の買取店で査定を受けることです。1社だけだと提示された金額が適正かどうか判断できませんが、3社以上から見積もりを取れば相場感がつかめます。

インターネットの一括査定サービスを使えば、効率よく複数社の査定額を比較できるでしょう。

査定前の準備を怠らない

車内の清掃や洗車など、できる範囲で車をきれいにしておくことも重要です。査定士の第一印象が良くなれば、細かい減点が甘くなることもあります。

また純正パーツを保管してあるなら、それも一緒に査定してもらいましょう。カスタムパーツを付けている場合でも、純正パーツがあることで評価が上がるケースがあります。

売却時期を見極める

中古車市場には需要が高まる時期があって、それが買取価格にも影響します。一般的に1~3月や9~10月は需要が増えるため、この時期に合わせて売却すると高値がつきやすくなります。

ただし車検が近づいている場合は、車検を通す前に売却したほうが得になることが多いです。車検費用のほうが査定アップ分より高くつくためです。

車を高く売るためには、下取りではなく買取査定を選ぶのが基本になります。査定の仕組みや市場原理の違いから、買取査定のほうが有利な条件で売却できる可能性が高いのです。少し手間はかかりますが、その手間に見合うだけの金額差が期待できるでしょう。